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小国街道
【おぐにかいどう】


鶴ケ岡城下と越後領村上(現新潟県村上市)を結ぶ山間の街道。越後の小俣(おまた)(現新潟県岩船(いわふね)郡山北(さんぽく)町),小名部・小国・木野俣・温海川(あつみがわ)・菅野代(現西田川郡温海町),坂野下・田川・湯田川(現鶴岡市)を経て鶴岡に至る。元和8年の庄内藩酒井氏の入部にも使われたと思われ,古くは本街道とみられたこともあった。峠が多く道幅も狭い山間の街道であったため,日本海岸沿いの浜街道が吹雪や荒波などの際脇街道として利用されたもので,荷物の運搬量や往来者は少なかった。小名部には末の番所が置かれ,越後からの荷物や人の往来を取り締まった。また小国にも番所が置かれ,宿屋6軒・茶屋3軒・木賃宿1軒があった。小名部から小国に通じる角間台峠と小国の東にはそれぞれ一里塚が設けられた。鬼坂峠の北側に位置する坂野下には越後に対する庄内の押えの意味で戦国期には関根城が置かれていた。また湯田川は庄内三湯郷の1つで,鶴ケ岡城下の遊里でもある温泉場であった。昭和49年11月に鶴岡~木野俣間は国道345号に昇格している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601093