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最上街道
【もがみかいどう】


堺田越・中山越ともいう。また近代以後は北羽前街道ともいう。最上郡最上町と宮城県玉造郡鳴子町を結ぶ街道。仙台藩領尿前(しとまえ)から中山の各宿駅を経て堺田峠を越え,新庄藩領小国(おぐに)郷堺田村(現最上町)に出る。堺田から富沢・向町・鵜杉(うすぎ)・瀬見(せみ)(現最上町),長沢・舟形(現最上郡舟形町)を経由して羽州街道に合流する。新庄方面からは長沢東部亀割山麓の最上小国川沿いに険阻な難所があり,通行には危険を伴ったため,往来はそれほど活発ではなく,治安面でも不安があった。しかし小国特産の小国駒の馬市の際には,東西から数多くの馬喰が集まり,仙台藩領にも売却されにぎわった。古くは源義経主従の陸奥平泉(現岩手県)への経路として「義経記」に記され,江戸期には松尾芭蕉主従の本県入りの経路となった。芭蕉は堺田村の封人の家に3日間滞在し,土地の若者の案内で間道である山刀伐(なたぎり)峠を越え,村山郡尾花沢(おばなざわ)(現尾花沢市)に至っている。明治22~26年にかけて小国新道が整備されると馬市や林業・鉱業で活況を見せ,向町(むかいまち)盆地開発の動脈となった。現在は一部国道47号となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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