前島の渡し
【まえじまのわたし】

淀川にあった渡し。現在の枚方(ひらかた)市牧野阪１～３丁目と高槻(たかつき)市前島を結んでいた。阪（現牧野阪１～３丁目）から前島街道で淀川河岸に達し，対岸の前島に渡り，高槻および西国街道に連絡した。明治初期は水幅180間，渡船１艘で運行していた（府統計書）。「澱川両岸一覧」に，「前島，道西浜の下にあり。此所，川辺に茶店ありて，酒飯とも自由なり。勝手につき，此ところより上る客あり。又乗客あり。上下りともに同じ」とあって，船着場としてかなりの繁栄をうかがうことができる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7604990