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仏通寺御調八幡宮県立自然公園
【ぶっつうじみつきはちまんぐうけんりつしぜんこうえん】


三原市北方の山岳地帯と御調(みつぎ)郡久井(くい)町の一部を含む県立自然公園。面積1,356ha。昭和46年指定。三原市の最高峰である竜王山(665m)と西3kmの大峰山(610m)を中心に,東西各々の山麓には御調八幡宮や仏通寺があり,自然景観と歴史的遺産に恵まれた地域。内陸の久井町は標高400mの平坦面を有し,三原市に入ると約300m高度を下げる。その地に仏通寺川は県内でも有数の深山幽谷を形成,東にそびえる大峰山(高羽山)と一体となって修験者の道場を提供した。仏通寺は三原市高坂町許山にあり,応永4年に小早川春平が愚中禅師を迎えて開いた臨済宗仏通寺派の大本山。往時,京都の南禅寺と同格に遇され,山内に88か寺に及ぶ規模を誇ったという。唐様仏殿である仏通寺含暉院地蔵堂,絹本着色大通禅師像は国重文,石造宝篋印塔は国重要美術品である。根囲り4.5m,高さ20mに達する仏通寺のイヌマキは県天然記念物に指定されている。鬱蒼とした杉木立の境内から,丸太の階段約4,300段を交えながら大峰山から竜王山へ縦走すると,南に瀬戸の島々を一望できる。晴れた日には四国の山並みも眺望できる。竜王山の北麓,三原市八幡町宮内に御調八幡宮がある。ここに流刑された和気清麻呂の姉和気広虫(法均尼)の草創で,石清水八幡宮の別宮と伝え多くの文化財を所有している。境内のしだれ桜は,西の吉野といわれる桜の名所をつくる。背後の社寺林は県天然記念物である。自然と文化に富む一帯は,仏通寺温泉があるほか,高坂自然休養村も整備中で,仏通寺と御調八幡宮にはキャンプ場も設けられ,中国自然歩道の要所である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606155