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石鎚国定公園
【いしづちこくていこうえん】


吾川(あがわ)郡池川町・土佐郡本川村と愛媛県にまたがる国定公園。四国の最高峰標高1,982mの石鎚山(愛媛県)と面河(おもご)渓谷とを中心とする。昭和30年11月1日国定公園に指定され,面積1万683haでそのうち本県側は面積3,112ha。手箱山(1,806.2m)から北東にかけて筒上山(1,859.3m),伊吹山(1,502.8m),子持権現山(1,678m),瓶ケ森(1,896.5m),東黒森(1,736m)など,愛媛県境近くの高山が続く大起伏性壮年期山地が主体になっている。地質は三波川帯の結晶片岩類が広く分布しているが,瓶ケ森から筒上山の稜線部には第三紀久万層群の礫岩が分布し,シラザ峠付近は砂岩・頁岩・礫岩の互層であり,南北を礫岩層と断層で接している。またシラザ峠付近は瓶ケ森西側の氷見二千石原と同じ隆起準平原がみられる。この公園内では植物の垂直分布が明瞭で,標高600mくらいまではウラジロモミ・ツガなど常緑広葉樹と落葉広葉樹を交えた暖帯性の天然林となり,標高1,200mを超えるとブナ林が主となる。それ以上では笹ケ峰から瓶ケ森,筒上山から手箱山の稜線付近のようにササの草原が広がっており,コメツツジ群落がみられる。また筒上山・手箱山・子持権現山などの岩場にはミヤマビャクシン・テバコマンテマ・シコクシモツケソウ・イワギクなど稀少な植物が生育する。最近は愛媛県の石鎚スカイラインや本県側の瓶ケ森林道などの建設で登山者,観光客も増えたが,それとともに山岳地域の自然保全・保護の問題も生じている。瓶ケ森・石鎚山付近には国民宿舎もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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