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奥物部県立自然公園
【おくものべけんりつしぜんこうえん】


物部川上流域,香美郡の香北町と物部村にまたがる山岳地の県立自然公園。剣山国定公園域と接する。昭和31年香北町側の1,419haが指定され,同35年物部村側が追加指定され,面積は1万914haとなる。香北町側では美良布(びらふ)付近から上流の物部川沿いには河岸段丘が発達し,猪野々には猪野沢温泉(冷泉)が湧き,歌人吉井勇が仮寓した渓鬼荘が建つ。また,御在所山(1,079.1m)頂上付近にはブナ・シャクナゲの天然林があり,ふもとの日比原川には3段からなる滝壺の美しい轟の滝がかかる。物部村側では永瀬ダムから上流槙山川(物部川本流)沿い,上韮生(かみにろう)川から笹川沿い,上韮生川最上流西熊渓谷が公園域に入る。槙山川流域には石灰岩が露出する断崖が連続し,最奥の別府渓谷は約2kmにわたって断崖・滝・深淵が続き,石立山(1,707.7m)から連続する石灰岩地植生がみられる景勝地。笹川最奥の笹渓谷は巨岩と清流が美しく紅葉の名所としても知られ,背後の矢筈山(1,607m)頂上はなだらかなササ原で,その中にツツジの大群落があり,土佐矢筈山風景林をつくる。西熊渓谷はヤマザクラの群生林と渓流美で知られ,アメゴ釣りが楽しめる。三嶺(1,893.4m)の登山口でもあり,キャンプ場もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7606927