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新田原
【しんでんばる】


行橋市から築上郡築城町にかけて広がる洪積台地。標高20~40mで,英彦山山地が放射状に発達した緩傾斜の北東端に位置する。基盤の花崗岩上に砂・礫が10m前後堆積するため水の便が悪く台地の開発は遅れ,明治23年頃にクワやハゼ栽培を行ったが失敗。その後,果樹栽培地として開発され,大正期には県下最大の果実産地となった。明治期の日豊本線の開通,広島県からの果樹栽培専門家の移住要請,昭和初年の長崎県五島からのカトリック信者の入植,北九州工業地帯の発展による果実需要の増大などにより,モモ・ナシを中心に台地上に約300haの果樹園が展開する九州最大の産地となった。第2次大戦中は食糧増産や肥料・労力不足のため果樹園は急減し,近年再びブドウ・クリを中心に果実産地として復興を図っている。新田原には,五島からの移住者の子孫が病院・教会を経営。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607226