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鶫岳
【つぐみだけ】


宗像(むなかた)郡福間町舎利蔵と古賀市薦野の清滝の境界にある山。標高335m。三郡山地の北西部に位置する。照葉樹林に覆われた山中には城跡があり,「続風土記」には「薦野の城主,円治修理亮峰時,此舎利蔵の鶫ケ岳に城を築きて,其弟次郎左衛門武道を置り,後年立花道雪より,家人大鶴宗松を入れて城番とす」とある。中腹の舎利蔵集落は,標高約140mの緑の谷間に人家が点在し,新宮町―古賀市―福間町を結ぶ産業用オレンジ道路が開通するまでは隔絶された山村であった。近年の自然食ブームで,農薬や化学肥料を使わない舎利蔵野菜の産地として脚光を浴びている。この地域には,イスノキの群落や,県天然記念物のナギノキをはじめ,カシ・シイ・ムク・ボダイジュ・シュウメイギクなど多種類の大木が繁茂し,福岡県自然100選に自然林として選定されている。集落のはずれにある観音堂は,神亀元年,行基によって開かれた舎利山勝宝寺跡で,天竺から奉持した仏舎利をこの地に納めたとの言伝えがあり,地名の由来となった。仏罰を恐れた村人が境内周辺の樹木を切らなかったことが,豊かな自然林を残す結果になった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607264