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山隈城
【やまぐまじょう】


中世の山城。小郡(おごおり)市山隈と朝倉郡夜須町四三島にかけて所在。延文年間に少弐頼尚が築いたと「筑後将士軍談」は伝えるが,ほかに創建の時期を確かめ得る史料はない。戦国末期に秋月種実の支城となり,天正15年,豊臣秀吉の九州出兵の後,小早川隆景がこの地を領すると,一時期,在城したと伝える(筑前早鑑)。その後は廃城となったようである。この城は,筑前と筑後の国境にある標高131mの独立峰,山隈山(花立山・城山とも)に築かれ,山頂からは北に三郡,南に耳納,西に背振の山地や筑後平野を一望できる。山頂一帯に本丸・二の丸・三の丸が築かれ,山頂の本丸は縦25m,横25mで,西に5本,南に7本の竪堀が設けられている。二の丸は同じく43m×29m,三の丸は32m×14mあり,ともに本丸の東に配されている。本丸と二の丸・三の丸との落差は大きく,二の丸・三の丸の周囲は傾斜が急である。旧状を比較的よくとどめ,本丸には英彦山神社が祀られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607371