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厳木川
【きゅうらぎがわ】


松浦東川ともいった(松浦記集成・肥前国誌など)。松浦川水系の1支流。東松浦郡厳木町の最北端部,椿山(759.8m)付近に源を発し,同町下田で天山(てんざん)(1,046.2m)の北麓付近に源を発する天(あま)川を合わせ,同町牧瀬で浦川内川,大橋で浪瀬川などを合わせて同郡相知(おうち)町に入り,同町相知で平山川,千束川などを合わせて西流し,同町山崎で1級河川松浦川に注ぐ川。延長22.5km。ちなみに,相知は当川と本流松浦川(松浦西川)との合流点すなわち「逢ふ地」に由来する。水量が豊富な川で,昭和5年厳木町広瀬に最大出力5,400kwの厳木発電所(現在厳木第一発電所),さらに同32年天川に最大出力2,800kwの厳木第二発電所ができた。中流の左岸一帯は,唐津(からつ)炭田の一角を占め,石炭産業が盛んな地域の1つであった。また,当川の上流,厳木町広瀬に厳木ダムが建設中。同ダムは,堤高115.5m,堤長405m,有効貯水量1,180万tの重力式ダム。ダム地点における計画高水流量毎秒660m(^3)のうち一定量放流方式により,毎秒520m(^3)を洪水調節するとともに下流沿岸213haの灌漑用水,唐津市・多久(たく)市・厳木町・相知町の水道用水1日3万2,000m(^3)および佐賀県の工業用水1日1万m(^3)の取水を可能にする多目的ダムである。また,このダムの建設に伴って新設される天山発電所(揚水発電)で,最大出力60万kwの発電を行う。昭和55年度着工,同58年度完成予定で現在建設中である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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