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古渡橋
【ふるわたしばし】


塩田(しおた)川に架かる橋。鹿島市北鹿島地区の土井丸と杵島(きしま)郡有明町古渡を結ぶ。長さ98m,幅2.6m,鹿島側半分がコンクリート橋で残りは木造橋である。古渡は長崎脇街道といわれた鹿島往還の渡船場であった。昭和2年,この渡しの下流1kmの所に百貫橋が架けられたことにより,渡しの必要はなくなった。竜王村(現在の有明町)古渡の農民は,塩田川対岸の北鹿島村(現在の鹿島市)に田畑を持ち,渡し船で耕作に通い,また,牛馬も船で運んだ。しかし,有明海は干満の差が大きく,立往生することもしばしばで,さらに,農業技術の進歩とともに化学肥料などの使用も増え,船で渡ることが不便になり,昭和25年ごろから架橋運動が始まった。こうして,橋は竜王村の単独事業で昭和26年7月木造橋として完成した。しかし,塩田川を往来する陶土運搬船の船頭から苦情がでて,結局1.5m橋の中央部をかさあげすることで解決した。昭和41年,木造橋をコンクリート橋にかえることになった。しかし,この橋を管理する有明町の財政的理由によって,コンクリートと木造の奇妙な橋が生まれたのである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7607518