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名貫川
【なぬきがわ】


川南台地の北縁を限り,中流から下流は児湯(こゆ)郡都農(つの)町と同郡川南町の境をなす2級河川。全長19.5km,流域面積は51.2km(^2)である。源流域は尾鈴山(1,405.2m)で,その東西に深い谷を刻み滝を懸けて流下する。矢研ノ滝をはじめ白滝・さぎりの滝・紅葉ノ滝など大小30余の滝は尾鈴瀑布群として知られるが,すべて名貫川水系に懸かるものである。この川が本格的な沖積平野をつくるのは込ノ口(おろのくち)から下流にかけてである。ここからは両岸に河岸段丘をつくり東流する。込ノ口はこの川がつくる扇状地の扇頂部にあたり,かつての扇状地面は三ケ月原(都農町)と長岡原(川南町)と呼ばれる台地になっており,尾鈴ブドウの主産地となっている。名貫川流域の山地は,優雅で芳香のある尾鈴ランの産地として有名であるが,乱獲により山中にその姿を見ることができなくなった。下流域には,徳泉寺の洞益和尚の法力といたずら河童の競合を語り伝えた河童伝説がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7608104