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速日の峰
【はやひのみね】


双子山ともいう。東臼杵(ひがしうすき)郡北方町と同郡北郷村の境界に位置する九州山地東部の山。標高868.0m。山頂は北方町に属す。稜線はほぼ東西に連なり,西は徐々に高度を増しながら石峠・九左衛門峠(1,100.6m)・真弓岳(1,080m)などを経てはるか諸塚山(1,341.6m)にまで達する。北面・南面とも険しい山容であるが,山頂を含む尾根筋には緩傾斜面があり,早壮年期の山といえよう。山頂平坦面上は草地の原野で,東部清水(きよみず)峠には清水観音がある。北東部標高約350mの中腹には落差約50mの布水の滝がかかる。地質は中生代の四万十層群で,粘板岩・砂岩を主体とし,一部に緑色凝灰岩が分布する。南腹の速日鉱山,北部山麓の猿渡(さわたり)・吉本鉱山はいずれもこれらに含まれる銅山であった。饒速日命がこの峰に天降りしたという伝承があり,山頂に神社があったが,応永年間に遷座して山麓早日渡集落(北方町)の早日渡神社に祀られている。古くは二子塚とも記し,これは山頂が2峰からなることによる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7608107