100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

大野郷(古代)


 奈良期~平安期に見える郷名。「和名抄」吾川【あがわ】郡四郷の1つ。「土佐幽考」は「弘岡上中下三村是なり」とし,「地名辞書」は「今伊野村,神谷村なるべし」とする。「日本地理志料」は「加田,神谷,小野,鹿敷,勝賀瀬,楠瀬,柳瀬,柏原,大窪の九邑」と記す。旧伊野町と神谷で,現在の伊野町を中心とする地域に比定される。天平勝宝4年10月25日の造東大寺司牒に「土佐国壱伯戸〈土佐郡鴨部郷五十戸 吾川郡大野郷五十戸〉」とあり,当郷内の50戸などが東大寺に施入された(正倉院文書/寧遺中)。神谷には延喜式内社天石門別安国玉主天神社が鎮座する。枝川古墳群のうち1基は7世紀前半,2基は7世紀後半であり,集落遺跡にサジキ遺跡がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7617918