すし手帳 貝 262 ばいがい 「くっきりした縞のある巻貝」の意の英名どおり、数ある「つぶ貝」「ばい貝」のなかでも、殻のくびれ具合の深さ・明瞭さは抜きん出ている。ついでにいえば、螺塔(螺旋状に巻いた殻の先端)も鋭く尖って高い。日本海の水深2 0 0?5 0 0 mの砂泥底に棲み、獲れたら市場に入荷する(入荷は周年)という風だけれど、旬は厳寒のころ。身は弾力に富んで、軽く噛んだくらいでは歯がはじかれそうだ。まるで弾むようなのに、歯切れはいい。淡泊で飾り気のない味を引き立てるために、身は昆布だしでさっと煮てある。 東京書籍「すし手帳」JLogosID : 8003080