インサイダー・アウトサイダー理論
【いんさいだーあうとさいだーりろん】

Insider-Outsider Theory
賃金の下方硬直性を説明する理論の1つ。既に雇用されている人々がインサイダー、失業状態にある人々をアウトサイダーに例えるのが典型的。インサイダーは、アウトサイダーの新規雇用よりも、自らの賃金上昇に関心を払いがちである。アウトサイダーは、本来もう少し平均賃金が低ければ雇用されたかもしれない人々であるが、労使交渉を行うのはインサイダーである。その結果、インサイダー内では高賃金が確保される代わりに、大量の失業者(アウトサイダー)が発生する。すなわち、アウトサイダーは、インサイダーの高賃金を一部肩代わりさせられていることになる。いったん失業者になると、失業期間が長期化、その結果スキルが劣化し、さらに就職しにくくなるという悪循環が生じる。インサイダー・アウトサイダー理論は、労働組合の交渉力が強い大陸欧州の高失業率を説明するためによく用いられる。日本の場合、組合に守られた正規雇用者をインサイダー、派遣労働者や臨時工などの非組合員をアウトサイダーに例えても類似の議論ができる。
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![]() | 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8516803 |