100辞書・辞典一括検索

JLogos

43

ABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)
【えーびーえす;いでんしげんへのあくせすとりえきはいぶん】


Access and Benefit-Sharing

ABSは「遺伝資源へのアクセスと利益配分」と翻訳され、生物多様性の議論の焦点となっている。遺伝資源とは、医薬品や食品などに利用される動植物や微生物などの生物資源のこと。先進国の企業は、熱帯雨林の微生物を使ってさまざまな新薬や栄養補助食品を開発し、利益を上げてきた。その中には先住民が民間療法の秘薬として古くから珍重してきた微生物もある。
生物多様性条約は、遺伝資源の利用によって得られる利益の公正な配分を求めている。途上国は遺伝資源が勝手に持ち出されたり(バイオパイラシー)、利益が公平に配分されたりしないことを懸念し、法的拘束力のあるルール作りを主張し、先進国と対立してきた。2002年の生物多様性条約第6回締約国会議(COP6)で採択したボン・ガイドラインは、利益配分を考えた契約を両国で結ぶように指針を示した。10年に名古屋で開催されたCOP10で、解決のための国際的枠組み「名古屋議定書」が決まった。




(c)日経BP社 2011
日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
JLogosID : 8523000