異常気象
【いじょうきしょう】

abnormal climate/abnormal weather
2010年の日本は、4月半ばの東京の雪、夏の猛暑に冬の嵐と異例ずくめであった。海外でもモスクワの7月の最高気温が38.2℃と過去最高を更新し、中国やパキスタンでは大規模な洪水に見舞われた。12月以降は欧州やアジア、米東海岸などを大寒波が襲った。異常気象には複数の要因が絡まりあっていると考えられているが、原因の1つに海面水温の大きな変化があるとされる。太平洋東部熱帯地域の海水温が通常よりも高くなる「エルニーニョ現象」と、逆に低くなる「ラニーニャ現象」は交互に起こることが多い。また、北極上空の寒気が蓄積と放出を繰り返す「北極振動」の影響も大きい。地球温暖化が異常気象に間接的な影響を及ぼしていると指摘する専門家は多い。温暖化が進むとエルニーニョが頻発し、長期化するといわれる。北極振動にも温暖化が影響を及ぼす。北極海の海氷が減って水温が上がることで、低緯度地方との温度差が縮まって偏西風が弱まり、寒気が南下しやすくなる。
【参照キーワード】
エルニーニョ現象

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![]() | 日経BP社 「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」 JLogosID : 8523023 |