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ABS樹脂
【えーびーえすじゅし】


Acrylonitrile Butadiene Styrene plastics

アクリロニトリルとブタジエンとスチレンの共重合ポリマーを主成分とするプラスチック。最初にアクリロニトリルとスチレンを共重合させたアクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂が開発され、ポリスチレンに比べて耐薬品性と引っ張り強さを改善した。これに続き、物理的性質・機械的性質のバランスを良くするためにASとブタジエンをグラフト重合させたものが、ABS樹脂である。
特性は、耐衝撃性や成形性に優れている半面、耐薬品性と耐候性があまり高くない。ASとブタジエンの比率を変えることにより、特性を調整している。また ABS樹脂は、ポリマーアロイの先駆けとなったプラスチックであり、物理的性質・機械的性質のバランスが良いため、用途面では自動車や電気・電子機器、日用品をはじめ、幅広く採用されている。
ABS樹脂のグレード開発では、帯電防止機能を高めたり、難燃性・耐候性を高めたものが登場している。さらにポリカーボネート(PC)ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの汎用エンプラとのポリマーアロイも需要を拡大しつつある。ポリマーアロイの代表格がABS/PCアロイであり、難燃性・良流動性のガラス繊維強化グレードなど、製品仕様に応じたグレードが開発されている。
また、ABSのブタジエンゴムをアクリルゴムに置換したASA樹脂や、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・モノマー)で置換したAESが開発されており、いずれもABS樹脂よりも耐候性などの特性を改善している。




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「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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