人体通信
【じんたいつうしん】

human body communication
人体、または人体表面を伝送路として利用する通信方式。応用分野は、個人認証や医療、ヘルスケア、ビジネス、エンターテインメントと幅広い。
たとえば、人体通信用モジュールを格納した携帯電話機を、胸ポケットに入れたり首から下げたりしておくと、その人が人体通信用モジュールを搭載した端末に触れたり、数ミリメートルから十数センチメートルの所に手をかざすだけで、携帯電話機とその端末の間でデータをやりとりできる。従来の非接触IDカードや「おサイフケータイ」のように、ポケットやかばんから取り出して相手方の端末に近づける必要はない。実用化された通信モジュールの伝送速度は、今のところ200~300キロビット/秒である。電磁界あるいは電流を使って信号を伝送する。
人体通信は、技術的に以前から知られていたが、長らく研究開発の段階にとどまっていた。2008年4月に、NTTが個人認証システムに利用できる人体通信用モジュールのサンプル出荷を開始した。

(c)日経BP社 2011
![]() | 日経BP社 「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」 JLogosID : 8523682 |