イラク
【いらく】

Iraq/iraku
【現代】西アジアの共和国。1932年、イギリス保護領から独立してイラクと称した。現代の共和国は1958年の革命により樹立される。東をイラン高原、西をアナトリア高原、北をカフカス山脈に囲まれた地形をもつ。首都、バグダットよりバスラに至るチグリス・ユーフラテス川の地域はしたがって低地。古代メソポタミア{メソポタミア}文明(メソポタミアはギリシャ語で〈川の間の地〉の意)のさかえた地。
【語源解説】
アラブ人が、この地方を古くから、イラク・アラビIraq Arabi(アラビア低地)とよんでいた点を採択して、イラク(低地、耕した土地)と称した。
【補説】
首都、バグダットBagdad は〈神の贈物〉の意。ペルシャ語で、神の意のbagと贈物の意のdadを合わせて地名とした。4000年以上もの歴史ある都。なお、バスラ{バスラ}Basraはアラビアンナイト物語でバソラとみえる都市で、〈やわらかい所〉の意。アラビア語、アル・バスラal-basraで、この地域がやわらかい地層をもつゆえの命名。

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537164 |