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【ごう】


g^{o}

【古代】身、口、意(心)によるすべての善悪の行為。また前世の行為により現世で受ける報い。さらに前世から定められている運命、宿命。〈業が深い〉などという。一般的に悪い行為をいう。[中国語]罪{くさおいたつじゅうこ}。karma, retribution.

【語源解説】
仏教関連語。梵語で〈行為〉を意味するカルマンkarmanの訳。仏教とともに伝えられた考えの一つ。この業を火になぞらえて、〈業(ごう)火(か)〉という。これは悪業の報いである地獄の猛火。激しい火災や、烈しい怒りの譬喩。この業火が腹中で燃えさかると〈業(ごう)腹(はら)〉(このうえなく腹立つ)と表現する。

【用例文】
○我が重キ病ヲ得シハ殺生ノ業ニ由ルガ故ニ(霊異記)○汝らは……その業やうやうつきにたり(宇津保)○業つきにけりと思はむとて、下り給ひけり(源氏)○かの地獄の業(ごふ)の風なりとも、かばかりにこそはとぞおぼゆる(方丈記)○娑婆世界の罪人をあるいは業のはかり〔秤〕にかけ(平家)○業火盛んに燃えて修羅の闘(とう)諍(じゃう)(太平記)○G^{o}. ゴウ しわざ、行為(日葡辞書)○業(ゴフ)力(リキ)(易節用集)○世事何に求んなどゝは三業の相応ぜざる事也(芭蕉)○死んでやみなん二つの命……定まる業と力なき/業さらしめ〔恥しらず〕、だいばめ〔提婆達多(だいばだった)、悪人〕(近松)○皆おれがごうとは弱いしかりやう/ごうといふものをにやして女房まち/ごうはら〔業腹〕な乳母は人形丁に居る(川柳)○ちくせう〔畜生〕のがうがめっして人(にん)間(げん)に生(うま)れかはるどうりじゃァねへか(安愚楽鍋)
【補説】
『法華経』に〈善悪業縁〉とみえる。〈業(ごう)突(つく)張(ばり){ごうつくばり@業(ごう)突(つく)張(ばり)}〉(きわめて強情な欲深いもの)、〈業を煮やす{ごうをにやす@業を煮やす}〉(相手の煮えきらぬ態度に烈しく気がいらだつ)、〈業をさらす{ごうをさらす@業(ごう)をさらす}〉(恥を世にあらわにする)など慣用句がある。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537517