さぼる
【さぼる】
saboru
【現代】なまける。故意に学業や仕事を休む。[中国語]偸懶。slowdown, stay away from classrooms, cut a class.
【語源解説】
フランス語、サボタージュ{さぼたじゅ@サボタージュ}sabotageをサボと省略し日本語として〈サボる〉と動詞化した。サボ(sabot)は木靴。ageは動作・集会を示す接尾辞。〈木靴作製〉の意。なお、フランスで、木靴を作製の職工たちがサボで機械をぶちこわして労働争議をおこし、生産を怠業、いわゆるストライキをしたところからサボタージュといわれた。日本では大正8年(1919)、神戸、川崎造船所でおこった争議(ストライキ)の際、本多雪堂(当時、大阪朝日新聞の記者)が社説で、このサボタージュの語を用いたことに起因。現代では英語も採用している。そしてとくに学生間で〈サボる〉が創作され、やがて一般的となった。
【用例文】
○サボタージュの語は「サボ」ると云ふ動詞として用ゐられ、日本全国の通用語となった(賀川豊彦)○サボる(小林多喜二)○近代化をさぼる口実(週刊誌)
【補説】
フランスでの〈sabotage〉の初出は1842年。日本語としては、現代でもサボタージュは労働争議や怠業の意味で用いられているが、〈サボる〉とは別。学生用語などという限定もなく、広く一般に用いる。日本語は〈ル〉を接尾させて、名詞を動詞化するのが一般。江川→えがわるinhibitglue(無理難題をおしつけて居すわる)などもみられた。
| 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537586 |