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薄・芒
【すすき】


susuki

【古代】イネ科の多年草。群生し、秋に茎の頂に花をつける(これを尾花とよぶ)。秋の七草の一つ。別名、カヤ。[中国語]芒、狗尾草。Japanese pampas grass.

【語源解説】
スス・キに分かれ、ススはサヽで、小。小竹をいうササと同じ、細い葉にポイントをおいた命名。キは鋭いこと、その葉で指などを切ることがあるように、鋭い葉の感じ。したがって、ススキは細く短い葉の意。〈花ススキ{はなすすき@花ススキ}〉は尾花をつけたススキの状態からいい、〈旗すすき{はたすすき@旗すすき}〉ともよんだ。漢字、〈薄〉も葉の細いところからあてた。〈芒〉はノギにもあてるが、やはり葉先が尖ってノギのような形態からあてたのであろう。

【用例文】
○さを鹿の入野の為(ス)酢(ス)寸(キ)初尾花(万)○薄、花薄 mini{波(ハ)奈(ナ)須々木(ススキ)}(和名抄)○一むらすゝきも心にまかせでみだれたりける(源氏)○寛喜二年〔1230〕八月二日、薄穂多出(明月記)○おばなとはつねには薄の穂をよめる(袖中抄)○わがやどの庭になれなみ露そ草〔薄〕かたよるばかり風やふくらん(藻塩草)○薄(スヽキ)、花薄(ハナススキ)(易節用集)○恥しらぬ僧を笑ふか草薄(芭蕉)○薄(すすき)(早節用集)○芒(ヲ)花(ハナ)mini{スヽキ}(俳題正名)○薄の名所まねかねど人が寄(川柳)○ススキ薄 Eularia japonica.(ヘボン)
【補説】
異名として、〈次(つぎ)波草・露(つゆ)曽(そ)草(くさ)・みくさ(見草・美草・三草)・みだれ草・花すすき・旗すすき〉など。薄は常用漢字にあるが、ススキの読みは廃された。漢字のハクは本来、林の中のブッシュ(草むら)を意味するので、日本語のススキをあてた。また迫(ハク)に通じてセマルの意もあって、薄暮{はくぼ@薄暮}=夕暮れの熟語もある。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537684