苦手
【にがて】

nigate
【現代】不得意なこと。またそうした対象、人物。[中国語]不好対付(的人)、不善手。week point.
【語源解説】
中国古医学書にみえる〈苦(ク)手(シュ)〉(霊妙な手)と異なって、苦苦(にがにが)しく感じるニガにテがついた語形。苦苦しく思う相手、対象。結果的に自分にとって、不得意なこと、もの、弱点、人物などをさす。多くは意識の問題である。
【用例文】
○ニガテ hard person to get the better of,, hard customer.(ヘボン)○其外、苦手(にがて)は色色ある(漱石)○ゴキブリと板ガラスをこする音が大の苦手だ(安部公房)
【補説】
中国古医書『霊樞』の〈苦手〉は、〈爪苦ク手ニ毒アリ、事ヲナスニ善ク傷アル者ハ積(癪)ヲ按ンジ、痺ヲ抑ヘシムベシ〉といい、蛇なども、この手で抑えられると身動きできぬと、特別な効力ある手をさす。

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537914 |