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虹・{にじ}
【にじ】


nizi

【古代】降雨の後などに、太陽と反対の中天に立つ弓形の色彩の帯。古語はヌジ(方言も)。[中国語]虹。rainbow.

【語源解説】
古代では〈虹(ヌジ)見(アラハ)レ、{おろち}ノ如ク四五丈〉(日本書紀)と形容しているように、漢字の虹に似て空にかかる虫の一種と考えた。沖縄方言では蛇(長虫)を意味するナギ、ナガがみられ、同じく方言のノーガ、ノーギリと同根語。古語や方言には、ヌジとニジの異形がみえる。したがって虹は蛇の精の類と考え、色彩からの解釈は疑問。漢字〈虹(コウ)〉はオスのニジ、メスは〈にじ(ゲイ)〉と区別。日本語の虹にも蛇や龍のような虫の一種が想定できよう。

【用例文】
○伊香保ろの八尺(ヤサカ)の堰(ヰデ)に立つ努(ヌ)自(ジ)の(万)○虹 mini{和名、尓(ニ)之(ジ)}、mini{雄ハ虹ト曰ヒ、雌ハ{にじ}ト曰フ}(和名抄)○虹のたつ麓の杉は雲に消えて峰より晴るゝ夕立の雨(風雅集)○虹(コウ)、霓(ゲイ) mini{二字ノ義同ジ}(下学集)○虹(にじ)(早節用集)○虹 にじ○東国の小児、○のじと云、尾張の土人、鍋(なべ)づるといふ、西国にて○いうじ〔夕虹の略か〕と云(物類称呼)○虹の橋夕日の渡る片時雨(川柳)
【補説】
虹のニは丹(赤色)、ジは筋のジという説(倭訓栞)もあるがとらない。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537916