バス
【ばす】

bus/basu
【現代】英語、バスbusであるが、訳して〈乗合自動車〉。ただし、現代ではバスが一般。[中国語]公共汽車。
【語源解説】
オムニバスの略称。ラテン語で、〈すべての人のために〉の意のomnibusをbusと省略しての呼称。日本語でも〈乗合{のりあい@乗合}〉と略称する。〈乗合〉は江戸期、〈乗合船〉、明治期の〈乗合馬車〉などの語の活用であろう。明治44年刊の『模範英和辞典』(三省堂)には、〈Bus. 乗(ノリ)合(アヒ)馬(バ)車(シヤ)〉とある。のち昭和期にバスが舶載されて、第二次的に乗合自動車の語がつくられた。
【補説】
日本では、観光バスも長距離バスも区別しないが、イギリスではそれらをコーチcoachといって、city bus(路線バス)とは区別する。なお第二次世界大戦前、イギリスの政治家、某氏が〈バスに乗りおくれる(miss the bus.)=好機をのがす〉の句をはいたのは有名。現在は〈バスに乗りおくれるな〉の否定表現で使うことが一般。

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537961 |