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判官贔屓
【ほうがんびいき】


h^{o}gan biiki

【江戸時代】〈判官(ほうがん)〉はハンガンとも。源義経など悲劇的人物に対して声援をおくる心情。日本の国民的同情をあらわす言い方。[中国語]対弱者表示同情。affection for Yositune.

【語源解説】
〈判官〉は検非違使(けびいし)(古代、治安、検察、裁判をあつかう役職)の尉(ジョウ)の位をさす。具体的には源義経をさす。『義経記』に、〈〔義経は〕元暦元年に検(けん)非違使(びいし)五位尉(ぜう)になり給ふ太夫の判官(はうぐわん)……腰越に着(つ)き給ひ〉とみえる。〈贔屓〉は自分が好意をもつものに対し、特に便宜をはかったり、助力をすること。語源的には自分自身で相手への愛情、感情を強ク〈引ク=引キ〉つけることからヒイキが成立。のち、音を考慮して、漢字〈贔屓〉をあてた。〈贔〉は三つの貝で大亀の意、{しししだい)(ヒ)〔怒(いかる)〕の誤字という。〈屓〉は尸と貝(自の変形)からなり、寝息、転じて力を出すさま。〈贔屓〉はいささか、無理な宛字といえそうである。日本人の漢字へのあいまいな理解からの日本的用字法。

【用例文】
○はうぐはんひいき/世や花に判官(はうぐはん)贔屓(びいき)春の風(毛吹草)○義経贔屓/判官(はうぐあん)贔屓(びひき)とて立児(たつこ)座児(ゐざるこ)も引(ひ)く是(これ)人徳(にんとく)なり(譬喩尽)○弱きを憐れむ判官(はんぐわん)贔屓(びゐき)(人情本)




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8538071