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「おもろさうし」に見える地名。佐敷町佐敷に当たる。佐敷間切の村は,「おもろさうし」に「さしき」「よなみね(与那嶺)」「てとこん(手登根)」「やびく(屋比久)」「ひらた(平田)」「なわしろ(苗代)」が見える。「さしき」は広義(佐敷間切)に用いられることも多い。関連オモロは重複を除くと約30首。尚思紹・尚巴志など第一尚氏王統の本拠地であった佐敷は,常に尊崇されてきた。巻19-2,No.1282には次のように謡われている。一さしきいぢゑきあぢの(佐敷意地気按司の) 世おそうおもりに(世襲う御杜に) よそわるくにつぼに ちよわれ(世襲わる国局にましませ)又さしきぢやくにあちの(佐敷大国按司の)大意は,佐敷の優れた按司の,世を支配する杜に,天下を支配する御座所にましませ,となり,佐敷に君臨した按司の安泰をことほぐオモロである。「おもろさうし」巻19の表題は「ちゑねん,さしき,はなくすくおもろ御さうし」であり,19首の佐敷関係のオモロを収めている。巻14の「いろいろのゑさおもろ御さうし」にも8首の佐敷関係のオモロがまとまって見える。佐敷の土地や人物を讃美した内容が多く,佐敷が古くから栄えにぎわっていたことがわかる。例えば,正確な所在地は比定できないが,「さしきかなもり」は由緒ある杜であったらしく,描写も生き生きとしている。巻14-33,No.1014に次のように謡われる。一さしきかなもりや(佐敷金杜は) あんしのすておやくに(按司の孵で親国) さしきよ(佐敷よ) ふみあかて ちよわれ(踏み揚がってましませ)又にしのかなもりや(西の金杜は)このオモロは,佐敷金杜は按司様の生誕した立派な国であるゆえ,佐敷はますます名高く栄えよ,と謡っている。佐敷金杜は,「雨漏らん金杜(雨の漏らない程樹木が茂った立派な杜)」(巻19-8,No.1288)とも謡われ,ここでは各種の神事舞踊が行われたのである。佐敷金杜については,「おわもりは遊ばちへ(おわもり神女は神遊びしたまいて)」(巻14-36,No.1017),「若清らが競い遊び(若清ら神女が競(けわ)いの神遊び)」(巻19-4,No.1284)とか,あるいは「綾手打ちちへなよれば 宣の君と君と(美しい踊りの手を打って踊ると,宣の君神女と神女と)」(巻19-5,No.1285)など,神女たちの神遊びの見事な,厳粛かつ盛んなありさまが謡われている。
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