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よのなかよ
【よのなかよ】


〈千載・雑中・一一五一・藤原俊成(しゅんぜい)〉
[訳]「このつらい世の中には逃れる道というものはないのだな。思いつめて分け入った山の奥にも鹿が悲しそうに鳴いている声が聞こえるのだ」
<参考>『千載和歌集』の詞書に、「述懐百首」の一首で鹿に託して詠んだ歌とある。保延六(一一四〇)年、作者二十七歳のときに詠まれたもので、出家遁世(とんせい)した山中ですら鹿が悲しげに鳴いているので、どこに身をおいても無常厭世(えんせい)の思いから逃れることができないと嘆いているのである。また、この年に西行(さいぎょう)が出家している。俊成は現世を離脱しても救済されないと達観していたということであろうか。『小倉百人一首』の作者表記は「皇太后宮大夫俊成(くゎうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい)」である。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5112954