マダガスカル(政治・経済)
独立後いくつかの政変を経て1998年新憲法を制定,共和制だが6自治州による連邦制をとる。大統領が最高権力者で首相を指名,議会は二院制で下院は直接選挙制。上院の3分の2は間接選挙制,残りは大統領が指名する。2001年の大統領選挙をめぐり2候補が対立,02年ラバルマナナ候補は一方的に大統領就任宣言を行ったため,2人の大統領が併存する政治危機となった。同候補は選挙の再集計で過半数獲得を確定,正式に大統領に就任した。対立候補のラチラカ前大統領はフランスに出国,事態は収束した。03年後半以降,内政は徐々に安定。「迅速かつ持続的な発展」をスローガンに経済再建とよい統治をめざした政権運営を進めている。各自治州は広範な自治権を持つ。前憲法時代は社会主義国寄りの政策をとっていたが,現在は西欧型政治体制に回帰,全方位,非同盟を基本とし,イスラエル,韓国,南アフリカと復交,モーリシャス,セイシェルとインド洋委員会を構成している。農業が基本産業でコーヒー,バニラ,丁子,砂糖などの農産物が全輸出の大部分を占めてきた。そのほか漁業,木材,またクロム,貴石類などの鉱業もある。02年前半の内政状況は経済にも悪影響を与えた。今後は迅速な経済復興が課題となっている。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051488 |