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洗足
【せんぞく】


洗足池の「足」は、あの日蓮上人の「足」!?

東京走る東急目蒲線に、「洗足」という名の駅がある。辺り閑静住宅街だ。洗足意味は、読んで字のごとく「足を洗う」ことなのだが、なぜこんな名がつけられたのだろうか。中世の頃、この辺り一帯は「荏原千束」と呼ばれていた。つまり、もともとは「洗足」ではなく「千束」だったのである。当時は税として稲を納めなくてはならなかったが、千束郷にある大池(現・洗足池)が灌かん漑がい用の水源地だったため、千束分の稲が免除されてこの名がつけられたとされる。また一説には、免租理由は、水源地だったからではなく、千人の僧の法会千僧供養」の費用のための免田だったともいわれている。では、「千束」が「洗足」になったのはどうしてだろうか。これは、鎌倉時代の僧日蓮常陸湯治行く途中前述の大池足を洗ったという伝説をもとに、「洗足」の文字が当てられるようになったといわれている。つまり、「洗足」の「足」とは、日蓮足のことだったのである。もともと洗足は、雑木林湿地帯が広がる自然豊かな土地だった。現在のような町が形成されたのは、大正時代のことである。田園調布一帯開発された後、目蒲線洗足駅が誕生し、洗足地域高級住宅地の顔になりはじめた。




東京書籍
「雑学大全2」
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