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バランス・スコアカード
【ばらんすすこあかーど】


Balance Scorecard

過去の業績に偏重した業績管理のあり方を改め、現在の戦略の実施状況や、将来に向けた組織の成長の観点も取り入れて、企業のパフォーマンスを多面的に評価しようとする業績管理手法のこと。ハーバード・ビジネス・スクール教授のロバート・キャプランと、コンサルタントのデビッド・ノートンにより提唱された、言わば企業経営の通知表(スコアカード)である。バランス・スコアカードにおいては、従来の財務指標中心の評価ではなく、4つの視点(財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点)において業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)を設定し、企業の業績を可視化・評価する。これにより、外部と内部、過去と将来、財務と非会計、短期と長期といった異なる視点がバランスされ、より多面的な業績評価が可能となる。このように設定される管理指標は、すべて企業のビジョンの達成や戦略の実行に結びついていなければならず、実務上は管理指標の設定が非常に難しい。バランス・スコアカードを設計する際には、単に4つの視点で管理指標を列挙するのではなく、企業のビジョンや戦略の実現に対して、どの指標がどのように寄与するのか、各指標相互間の因果関係を整理して図示しておく必要がある(これを「戦略マップ」という)。また、最初に設定した指標はあくまで仮説であり、実行を進める過程で指標間に当初想定した因果関係がないことがわかれば、指標を入れ替えるなどの対応が必要となる。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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