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▼呼子流「アラカブの味噌汁」の作り方


フランス人はカサゴを材料にしたブイヤベースお気に入りである。清楚淡泊な味を持つカサゴは、洋の東西を問わず珍重されているけれど、佐賀県の呼子(よぶこ)ほどカサゴ好きな土地はほかにあるまい。ここではカサゴアラカブと呼び、味噌汁に一尾のまま利用する。「アラカブ味噌汁」では小さめのカサゴを選び、ウロコとエラ、ハラワタを取り除く取り出した胃袋を包丁で縦に割(さ)いて、内側のぬめりを包丁でこそげ取り適当な大きさに切り、これも味噌汁加える大きめの椀に汁を入れ1尾のままのアラカブを飾る。尾ビレが椀からはみでてもかまやしない。ほかは青ネギを散らすだけで、アラカブの風味を損なわないようにする。呼子流アラカブ味噌汁容易に作れそうだが、難題が一つある。土地の漁師いわく「今まで生きていたカサゴしか使わない」。鮮度が落ちると格段に味が落ちるというのだ。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14070011