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▼釣ったその日に食卓にのぼる日戻りガツオの醍醐味


カツオの多くは主に遠洋と近海で操業される旋網(まきあみ)漁及び一本釣り漁で漁獲される。旋網漁でとられたカツオは船内で冷凍され、冷凍ものとして流通するほか、かつお節や缶詰に加工される。一本釣り漁によるカツオも、沿岸で漁獲されたもの以外は冷凍ものか加工品になる。この冷凍ものがあるから、われわれは四季を通して、カツオの味を気軽に楽しめるわけだ。
薩摩半島南端に位置する枕崎市鹿児島県)は、旋網船と一本釣り船のカツオ水揚げ基地として広く知られる。そんな土地のカツオ好きに特別にひいきにされているのが、曳縄漁により沿岸で漁獲される日戻りガツオ。多くは漁師一人が5トン以下の漁船に乗り込み、両舷と船尾から6~8本の仕掛けを流し、7ノット(時速約13キロ)の速度で走りながらカツオ釣り上げる。「朝まだ暗いうちから釣り始めて、その日の入札に合わせて午後3時までに戻ってくる。だから日戻りガツオというんだ。釣ったその日のうちに食べるのだからじつにうまい。それに水温が低い沿岸まで寄ってきたカツオは、遠洋ものよりもずっと脂がのっているからな」と枕崎の曳縄漁30年というベテラン漁師は自慢した。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14070016