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▼なまめかしいまでに濃厚な味わい


柴垣の宿で食べたイワガキの味は噂通りだった。大きな酢ガキをするりと一つ口に含むと、なまめかしいまでに濃厚な味わいがじわっと広がってきた。焼きガキは殻ごと蒸してから、特製のタレを塗りながら焼き上げたもの。焼くことによって、芳醇な香りが立ちこめて、それがうまみをいっそう引き立てるのだ。とどめは炊き込みご飯イワガキエキスがたっぷりとご飯にしみて、お代わりお願いしたいほどの一品だった。
柴垣産イワガキの漁は6月後半から8月末までの約2カ月間。すべて素潜り漁による。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14070092