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▼生殖巣が成熟する産卵期がウニの食べどき


ウニの仲間は多く、世界中に800余種類が生息し、日本近海だけでも100種を超えるといわれる。そのなかで食用にされるのは10種類余り。われわれが通常味わっているのは、ムラサキウニアカウニバフンウニエゾバフンウニキタムラサキウニの5種類だ。
ムラサキウニ北海道南部以南各地に分布し、黒紫色のトゲが長く、殻は直径7、8センチでやや扁平。産卵期の夏がうまい。アカウニは青森県から九州までに分布する。トゲは短く、殻の直径は5~8センチ、高さ2~3センチと扁平である。秋から春にかけての産卵期が食べどきだ。バフンウニは褐色でトゲが短く小ぶりで、名前通り馬糞によく似ている。マグソガゼの別名もある(ウニをガゼと呼ぶ土地は少なくない)。冬から春にかけてが旬。
エゾバフンウニは福島県以北の太平洋側、山形県以北の日本海側に生息し、北海道で多く水揚げされる。バフンウニに似るが、殻の直径10センチと大ぶりである。産卵期の夏が食べどきだが、北海道では7~10月を禁漁にしている土地が多い。
キタムラサキウニ相模湾以北の太平洋沿岸、対馬以北の日本海沿岸に生息する北海道と東北の水揚げが多い。ムラサキウニに似るが、やや大ぶりである。夏から秋の産卵期がもっともうまい。このように一口にウニといっても、姿や食べ頃などはさまざまなのである。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14070096