100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

▼あちこち泳ぎ渡るからワタリガニ


標準和名のガザミでも呼ばれるが、ワタリガニ通り名のほうでよく知られる。ひらたい形をした五番目の両足を使って砂を掘って隠れ、夜になるとやはり五番目の足をボートオール代わりにして泳ぎ回る。ワタリガニの名はあちこち泳ぎ渡ることから付けられた。英語ではwimmincrabの名がある。なおガザミの名は「かにはさみ」が転じたという説が有力だ。
甲羅の長さは平均7センチ、幅は15センチ。甲羅は横に長い菱形で、体は著しく扁平である。生きているときは青緑色で、白色の小さな斑紋が散らばる。近似種にジャノメガザミタイワンガザミがあり、どちらもワタリガニの名で呼ばれることが多い。見分けるには甲を見ることジャノメガザミの甲には白く縁取られた紫色の斑紋があり、タイワンガザミの甲には白い雲状の模様がある。ワタリガニ津軽海峡以南から沖縄までに分布する。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
JLogosID : 14070225