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▼アンコウのとも和えは骨ごとしゃぶり食い


深海に生息するアンコウは、北海道以南の全国各地の底曳き網漁で多く漁獲される。尾浜(福島県相馬市)は大型船による沖合底曳網漁が盛んな土地で、ほかの底ものの魚とともにアンコウが多く水揚げされる。ここにはアンコウの伝統料理がよく受け継がれている。
松川浦漁港から徒歩5分ほどのところに魚直販センターがあり、私はここに店を構える松本魚店でよくアンコウ買い求める。店を守る松本タイ子さんは、ご主人が沖合底曳網船の漁師ということもあり、アンコウ料理の指南役には打ってつけである。「私たちはとも和えでアンコウをよく食べますよ。皮付きの身を骨ごと適当な大きさ切って、いったんゆでこぼします。その身に肝を加えて、おはしで混ぜながらフライパンで炒めます。肝から脂が出ますので、油は必要ありません。熱が通ったところで味噌を加えて、少量の砂糖と日本酒で味をととのえます」。人によっては、水でもどした切り干し大根加えるという。アンコウのとも和えは、行儀悪く骨ごとしゃぶり食いするのが漁師流である。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
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