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▼タル流し釣りで大型イカを漁獲


秋も深まった頃、鳥取県岩美町田後(たじり)でソデイカ漁を取材した。船に乗せてくれたのは米田俊秋さん。もう40年以上も漁船に乗っている大ベテランだ。「アカイカ釣れる年は『がしん年』といってな、不思議とほかの魚が不漁になる。だから昔は漁師に嫌われたものだ」。
朝4時、米田さんの愛船・海成丸で出漁。およそ30分で漁場に到着した。夜明けを待って、仕掛けを流していく。その道具が変わっている。長いほうの一辺が40センチほどの直方体の発泡スチロール20数個をロープでつなぎ(ロープの長さは各漁師とも秘密にしているそうだ)、ウキの代わりにする。この発泡スチロールを「タル」と呼び、それぞれに100メートルほどの釣糸を結び、先端にバケ(疑似バリ)を取り付ける。これをタル流し釣り漁法という。




東京書籍
「旬のうまい魚を知る本」
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