▼山陰ではタレクチ、瀬戸内海ではホオタレの名がある
下あごが短く、上あごしかないように見えるため、カタクチイワシ(片口鰯)の名がある。ごく親しみのある魚の一つでもあり、各地でいろいろな名前で呼ばれている。関東ではセグロ、あるいはセグロイワシ。背が黒いからだ。山陰ではタレクチ、瀬戸内海ではホオタレ。開いた下あごがたれているように見えるからだ。東京周辺ではヒシコイワシ、略してシコイワシという。塩蔵した魚を醤(ひしお)と呼んでいたから、それから転じたのだろう。
| 東京書籍 「旬のうまい魚を知る本」 JLogosID : 14070560 |