矢指村[関東地方] 角川日本地名大辞典

(近代)大正４年〜昭和29年の海上郡の自治体名。九十九里浜北東端に位置し，南は太平洋に臨む。浦賀村が改称して成立。村名はその昔八幡太郎義家（源頼朝ともいう）が竜王岬から太東崎まで６町毎に１本ずつ矢を立てたという矢指伝説から命名。大正末期から昭和初期にかけて，椎名内海岸には海水浴客が詰めかけ，椎名内では区費で無料休憩所を設けた。昭和２年村立海水浴事務所を設置。同６年戸塚文卿によって創設された結核快復期患者の休養所ナザレト・ハウスが野中に落成。同17年県下のトップをきって翼賛壮年団を結成。第２次大戦中，多くの民家が空襲で焼かれ，17名の戦災死亡者を出した。同23年のアイオン台風では全壊36戸・半壊36戸。戦時中から始まった耕地整理は同24年に完成。同27年県下初の温泉法による温泉が足川の申請者に許可された。大正４年の戸数750・人口5,062。世帯数・人口は，同10年850・4,249，昭和４年798・4,029，同28年929・5,119。昭和29年旭町の一部となる。