東海村
【とうかいむら】

(近代)明治22年～昭和29年の市原郡の自治体名。養老川左岸の沖積平野に位置する。廿五里(ついへいじ)・野毛・町田・海保・飯沼・島野の６か村が合併して成立。旧村名を継承した６大字を編成。地名は，同時に成立した海上村の東隣に位置することから命名。明治24年の戸数463・人口2,401，厩75，船１。大正元年の戸数446・人口2,884（市原郡誌）。昭和29年の世帯数608・人口3,531。村役場は当初廿五里の民家を仮用，明治26年廿五里770番地に庁舎を新築。主産業は農業で米作のほか梨・桃・柑橘類などの果樹栽培を行う。大正元年の平均耕地面積１町２反余，生産高は米6,995石・梨３万2,455貫・柑橘類６万8,302貫。明治中期以降，養蚕が盛んとなり，明治31年の飼養戸数230，桑畑102町余，繭の生産高370石に及んだ（同前）が，大正～昭和初年にかけて衰え，果樹栽培へと切り替わる。大正元年，既設の青年団を統合して東海村青年団が設立，同４年の団員数242を数える（同前）。明治45年島野の東海尋常小学校，大正元年海保の東海尋常高等小学校に東海村簡易図書館を設立（同前）。同14年両校が統合して東海尋常高等小学校となり廿五里558番地に新校舎を建設，合併当初の児童数450（市原市立東海小学校創立百周年記念誌）。同12年の関東大震災では，死者６・負傷者２，家屋の全壊111・半壊84の被害を受けた（大正震災志）。当地は古来よりしばしば大洪水に見舞われたが，昭和初年の川廻し・築堤工事の完成により，大洪水は防がれている。昭和22年東海中学校開校。昭和29年五井町の一部となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7055782