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花勝山
【けかちやま】


気勝山とも書いた(安永風土記)。遠田(とおだ)郡涌谷(わくや)町の東南にある山名。標高9m。低い山であるが平坦地にあるので眺望がよい。出来(でき)川が南麓を流れ東南の名鰭(なびれ)沼に入っていた。現在同沼は水田となり,出来川は東北流し江合(えあい)川に注ぐ。江合川は西から流下してこの山の北西部に突き当たり,地続きの鞍翔(くらかけ)山と六郎館の北麓を迂回していた。涌谷館主13代伊達義基の代,天保4年六郎館の南の鞍部を掘削し,現在のように直流させた。旧流路は今も歴然と残っており,古川と呼ぶ。天保年間の工事の時の奉祀の牛頭天王祠がある。山の登り口に天保飢饉供養碑がある。六郎館は馬場六郎の居館と伝え(古城書上),室町期の館跡と推定されている。昭和48年六郎館の南麓,江合川左岸に奈良期の瓦窯跡が発見されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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