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沼原湿原
【ぬまっぱらしつげん】


黒磯市沼原の那須岳西麓にある湿原。南北約1km,東西約0.5km。板室温泉から三斗小屋温泉に至る登山道の途中にある盆地状の湿原である。湿原は西ボッチのすそ野に,茶臼岳溶岩の噴出口である日の出平や白笹山の溶岩が,関谷構造線に沿って発達した谷を埋め,その窪地に砂や泥が堆積して形成されたものといわれる。標高1,200mの地点にあり,周囲の約1kmは高山植物の宝庫である。湿原には木道もあり,アカバナシモツケソウ・オニシモツケ・コバイケイソウ・ノハナショウブ・コバギボウシ・ニッコウキスゲ・ブナ・モミ・アスナロなどが茂り,奥那須国民の森に指定されている。第2次大戦後のカラマツの植林や深山ダム工事(昭和48年完成)などの開発により,植物は減ってきている。湿原の南側には,沼原揚水発電所の調整池(上池)があるが,これは,表面アスファルト遮水壁型フィルダムによる人造湖で,海抜1,238m(満水時),総貯水量は434万m(^3)を有する。下池(深山ダム)との有効落差は最大478mで地下発電所に水を落としている。付近を那須山麓有料道路が走り,観光地化が進んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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