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毛屋新開町
【けやしんかいちょう】


旧国名:越前

(近世)江戸期の町名。石場畑方のうちに成立した地方町の1町。足羽(あすわ)川南岸には江戸初期から毛屋家中と呼ばれた侍屋敷地があった。貞享3年福井藩領が半減知され,1,000人を超える藩士が浪人となった際,南北400m・東西300m近くに及ぶ侍屋敷が空地となって放置されたため,次第に畑地として利用されるようになり,当町および毛屋横町の2つの地方町が形成された。正徳3年の町絵図出来の際の調書(稿本福井市史)では石場町組支配下の地方町として町名が見え,同年の城下絵図(福井市立郷土歴史博物館所蔵文書)では,毛屋家中のほぼ中央に「新開町」と記入されている。町名は,文字通り新しく開かれた町の意味で名付けられたものであろう。享保6年支藩松岡藩が福井本藩に併合され,元文5年までの間に4度にわたって松岡の侍屋敷が福井へ移建された。その際,畑地化していた毛屋家中の地が主として旧松岡藩士の引移り地となったことから,やがて毛屋新開町は撤去され消滅した。町域は現福井市毛矢1丁目の一部にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7092398