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雁坂峠
【かりさかとうげ】


東山梨郡三富村にある,日本三大峠の1つ。標高2,050m。秩父山地の雁坂嶺(2,289.2m)と水晶山(2,158m)の鞍部。西は甲武信岳から南東笠取山に続く県境の稜線上にある。明治以降,当峠を越す道は国道140号となったが,開発整備が遅れ交通路としての役は果たされていない。昭和32年,甲府熊谷線開発促進期成同盟が本県と埼玉県との間で結成され,県境の当峠をトンネルで抜く建設計面が進められているが,完成をみない。峠名は,カリが当峠から南東の雁峠―雁ケ腹摺山―雁道―雁丸尾と通る道筋に当たることにちなむ。古歌にも「秋風に山飛び越えてくるかりの羽むけにきゆる峰のしら雪」とある。古くは甲州と武州を結ぶ秩父往還の峠として秩父三十三番霊場巡りや三峰山への修験者も通る峠でもあった。「国志」に「川浦ノ支村天科ヨリ上リ武州秩父郡栃木へ出ズ,上下八里ノ間人戸ナシ,険隘ニシテ牛馬通セズ,口留番所アリ,此ノ辺リ七村ニテ守衛ス」また「日本武尊甲州ヨリ東北武蔵上野ヲ歴テ西ノ方碓日坂ニ至リ玉フハ蓋シ此ノ路ナリ」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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