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越知盆地
【おちぼんち】


仁淀川中流にある山間の小盆地。広義の佐川盆地に含まれるが,狭義の越知盆地のみを指す場合は,高岡郡越知・佐川両町境にある三宝山(442m)系以西の柳瀬川や坂折川が本流の仁淀川と合流する付近の低地を指す。仁淀川の本支流が激しく穿入蛇行して河岸段丘や氾濫原をつくり,仁淀川中流部の比較的広い平坦地で,経済上重要な地となっている。この河岸段丘面の1つに越知町の中心市街地が立地している。江戸期は,佐川領を支配する土佐藩家老深尾家の厳しい経済統制のため商業地としては十分発達せず,中心地の佐川と赤土峠で連絡する松山街道の仁淀川渡し場にわずかな集落があったにすぎない。近代以降,仁淀川上流を商圏とした物資の集散地としての商業的な性格をもった町域が形成された。早くから養蚕が盛んであり,氾濫原には桑園が開け,高吾北一帯の繭を集めて県下でも有数の生糸の生産地として知られたが,現在は桑畑も減少した。越知町域の西には安徳天皇御陵参考地の横倉山(1,073m)があり,県立自然公園に指定され,南には県指定の名勝地大樽の滝などの名所・旧跡がある。坂折川には治水を目的とする桐見ダム建設が計画中で,ダム完成により常襲の水患も除去されよう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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