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本山盆地
【もとやまぼんち】


県北部,吉野川上流の山間部に位置する盆地。吉野川は長岡郡本山町付近で北を大己屋山(1,262.3m)や白髪山(1,469.6m)などに,南を笹ケ峰(1,131.4m)や国見山(1,089.1m)などに囲まれ,土佐郡土佐町田井付近や本山町本山付近に細長い縦谷平野を形成している。平野の東端は田高須付近で,それより東では吉野川は峡谷を形成する。西端は支流の地蔵寺川にある土佐町土居付近であり,吉野川の先行谷の平坦地,東西約12km,南北は約500m前後の細長い平野である。本山盆地は土佐町田井付近で最も広い。田井の北には昭和48年に完成した早明浦ダムがあり,それより北西は土佐郡大川村・本川(ほんがわ)村に続く狭い谷になる。田井より東には本山町寺家・本山・下津野・木能津・田高須などに少し広い平野がある。河川沿いには河岸段丘も発達しており,山間部にしては豊かな水田地帯となっている。また吉野川の南側にはいわゆる御荷鉾構造線に沿う典型的な地滑り地帯があり,山地の傾斜が緩やかで吉野川に注ぐ相川川・伊勢川川・樫ノ川・木能津川などの支流沿いには広い水田地帯がみられる。北側では傾斜が急な山地が続き,南側に比べると耕地は少なく畑作の割合が大きい。集落は田井が最も大きく,最近は高知・大杉方面からのバスと以遠のバスの乗継点として交通や商業の中心となった。本山は江戸期,土佐藩家老の土居所在地として,なかでも,野中兼山の知行地として知られ,小城下町的集落として発達した。現在,簡易裁判所・土木事務所・保健所・警察署・消防署などがあり,古来,吉野川上流域の政治の中心である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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