薄香湾
【うすかわん】

平戸市にある湾。平戸島北部の西側に位置する。湾口は２km程度であるが，湾内はさらに後平の先に発達した半島部により二分される。この二分された湾の一方を古江湾といい，東側の湾が薄香湾である。湾内には五貫島・唐島の２つの小島をはじめ，比較的浅瀬も多く航路の障害にもなっている。湾内南に第２種漁港の薄香漁港がある。遣唐使船の寄港地としても知られ，また南部の宮ノ浦港とともに，タイの一本釣りの基地としても古くから有名である。現在では漁港としての機能だけでなく，一部零細ではあるが造船業も立地し，小型船舶の建造もすすめられている。さらに薄香港は海上交通の要所となっており，対岸の生月(いきつき)島へは毎日12便の定期のフェリーが往復している。また，薄香港の対岸の潮ノ浦ではハマチの養殖がなされており，湾内に拡大しつつある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7219624